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PCを捨てる前にHDDは物理破壊しましょう

実家に帰ったときに、使わなくなったWindows7機の処分を頼まれたのですが、HDDだけは確実に壊してほしいとのことでしたので、物理破壊をしてみました。

動画

Youtuberにアップロードしました!よかったらご覧ください

HDDを破壊する方法

HDDを捨てるだけなら、各自治体の捨て方(粗ごみ)に従えばいいだけですが、問題は黒歴史HDD内のデータ消去です。
確実にデータを消去するにはどうすればいいでしょうか?

HDDのデータを消す方法
  • ソフトウェアを使って論理的にデータを消去
  • HDD破壊サービスをしているお店に持ち込む
  • HDD破壊サービスをしている業者を呼ぶ
  • 自分で分解して破壊

再利用をしたり、売却をしたいときは論理的にデータを消去し、捨てるときは物理的に破壊がおすすめです。

ソフトウェアを使って論理的にデータを消去

この方法を利用する人の多くは、オークションに出品したり中古販売をしたりする人だと思います。
HDDを破壊せずに中身だけ完全に消去する方法を論理的消去といいます

普段パソコンを使っているときに不要なファイルができたらごみ箱に捨てていると思います。
そして、ある程度溜まったらごみ箱を空にしてファイル容量を空けている人も多いと思います。

しかし・・ごみ箱を空にしてもデータは復元可能です!

また、使用していたHDDをオークションなどに出品するときにクイックフォーマットをしている人もいると思いますが・・それも復元可能です!

ちなみに、復元可能というのはデータが消えたように見ますがが、元どおりになり中身が見られてしまうということです。考えただけで怖いですよね(いろいろな意味で)

オークションに出品したり、売却をしたりするときに、データを復元不可能にするにはどうすればいいでしょうか?

理屈の話になりますが、復元不可能にするためにはHDDをフォーマットした後に、HDD一杯に無意味なデータを書き込み、もう一度フォーマットをすれば復元不可能になります。復元をしても、無意味なデータが復元されるという仕組みです。

ただ、それをプログラムを書いたり、複雑な処理をするすることは難しいので専用のソフトウェアを利用して行います。幸いなことに、この分野はフリーソフトから有料ソフトまで様々なソフトが販売されいています。

この「ソフトウェアを使ってデータを消す」方法を使う人は、売却など他人に渡すことを想定していると思います。個人的にはデータストレージを他人に渡すのは危ないと思っていますが、中古販売などをしている方はそうも言ってられないと思います。

そこで、この方法を利用される方は、少なくとも有料ソフトを使うことをお勧めします。

2019年にHDDを消去して廃棄する会社の従業員が、HDDを持ち帰りオークションに出品するという事件がありました。そのHDDのデータが完全消去されておらず復元され流出するという事件がありました。

DiskRefresher4 -IODATA-

IODATAが発売しているHDD消去ソフトDiskRefresher4は無料版と有料版があります。有料版の最も大きなポイントは、消去証明書が発行できることです。

データを消去した際に「消去証明書」を発行できるため、消去したことを証明することが出来ます。また、消去証明書は透かし入り画像のため、偽造を防止することが出来ます。

【使用例】

・急遽必要になったレンタルPCを返却する際にデータを抹消して返却するとき

・学校の教員がデータを自宅PCに持ち帰った後にデータ消去したことを証明するとき

・NDAなどBusiness to Businessでやり取りしたデータを消去したことを相手に証明すると

※Windows版のみ対応。

IODATA https://www.iodata.jp/product/soft/backup/d-ref4/

オークションで出品をしたり中古販売をする人は、購入者に対して良いアピールになりそうですね

ターミネータ10plus データ完全抹消 -AOSデータ-

AOSデータが発売しているターミネータ10plus データ完全抹消もおすすめソフトです。

こちらのソフトは10種類のセキュリティレベルに合わせてHDDの消去が可能です。

世界水準の確実で安全な抹消方式

一般用途から企業まで、10段階のセキュリティレベルの中から抹消方式を選べます。

高速抹消のゼロ書込み方式から、世界基準の米国国防総省方式、グートマン方式など、安全で確実な抹消を実行します。

AOSデータ https://www.finaldata.jp/terminator/pkg/

オークションなどの販売目的というよりも、レンタルPCなどを扱っている人におすすめかもしれません。

論理的消去のまとめ
  • HDDを売却したい人や譲渡をするひとは論理的消去がおすすめ
  • フリーソフトもあるが、消去証明などが発行できる有料版がおすすめ
  • HDDの消去には、すごく時間がかかるので注意

HDD破壊サービスをしているお店に持ち込む

HDDを売却したり再利用したりするのではなく、安全に捨てたいという方もいらっしゃると思います。そんな方にお勧めの方法がHDD破壊サービスです。

なんだか物々しい名前ですが、仕組みとしてはお店にHDDを持ち込んだら大きな杭をHDDに打ち込み物理的に壊してくれます。

このHDD破壊サービスを提供している有名な企業はビックカメラ(傘下のソフマップ)です。

HDD破壊サービス
故障したHDD(ハードディスク)や規格の古いHDD(ハードディスク)など、各種メディアのデータを専用の機械で物理的に破壊いたします。

ビックカメラHDD破壊サービス https://www.biccamera.co.jp/support/counter/data-service/hdd-erasing.html

お値段も1,020年とお手頃な価格のうえに、HDDの外し方がわからない方向けに、HDD取り外しサービスも提供されています(有料)

ビックカメラHDD破壊サービス 
https://www.biccamera.co.jp/support/counter/data-service/hdd-erasing.html

私もよく使うサービスですが、気を付ける点もあります

HDD破壊サービスで気をつける点
  • お店が近くにないと使いにくい
  • 大量に処分したいときに費用がかかる
  • 破壊後のHDDを持って帰らなければならない

なんといっても、持ち込んで目の前で破壊してくれるという安心感が大事なので、同じようなサービスでも配送して破壊するサービスはおすすめしません。

HDD破壊サービスをしている業者を呼ぶ

個人利用ではHDD破壊は数年に一度くらいの頻度ですが、社内SEをしているとPC買い替えなどで大量にHDDの処分が発生します。PCの処分をするときも、HDDは取り出して別で物理的に破壊します。

ということで、数十個のHDDを担いでビックカメラに持ち込むわけにもいかないので、自前でなんとかしなければいけません。

とはいえ、HDD破壊装置も売っているのですが高価ですし利用頻度もそれほどはないため、HDD破壊装置を持ってきてくれる業者を呼ぶことが多いです。

価格も1台あたり1,000円くらいからあり、数量によっては若干のディスカウントがあります。また破壊証明書を発行してくれたり、破壊後のHDDを引き取ってくれなど細かいオーダーに対応してくれるのが業者の強みですね。

自分で分解して破壊

ただ、業者を使うにしても大量のPCとなるとそれなりにコストがかかるため、ゴミにお金をかけるのももったいないということで、社内SEとしてはHDDを自らの手で分解することにしました。工具だけ用意すればいいのが魅力的です。

工具

HDDを分解するにはトルクスドライバーという星形のネジを開ける工具が必要です。3.5インチHDDならT8サイズ、2.5インチHDDならT6かプラスドライバー(HDDによって異なる)を用意しましょう。

ホームセンターや100均にも売っていますが、精密ドライバセットが手元にあれば何かと便利ですので、これを機に購入を検討されることをおすすめします。

破壊手順

動画でも手順を紹介していますので、ぜひご覧ください

HDDの蓋を開ける

HDDを蓋を開けるには、トルクスドライバーT8型を使います。
外周6つのネジの他に、内側のシールの下に1つネジがあるので見逃さないようにしましょう

プロッタを取り外す

プロッタとはデータが記録されている円盤のことです。ホコリがつくだけでも壊れるデリケートな部品ですが、破壊をするときはケガをしないように気を付けながら、どんどん取り出しましょう。

プラッタにキズをつける

HDDを破壊する=プラッタを壊すですので、プラッタにキズをつけてデータの読み取りができないようにします。具体的には、プラッタをヤスリでこすったり、カッターでキズをつけたり、ドリルで穴を開けたりします。

破壊完了

今回は動画ネタとしてプラッタをドリルで貫通しましたが、通常は穴が少し開くくらいで大丈夫です。プラッタの両面に数か所キズをつけておきましょう。

HDDの捨て方

冒頭でも紹介しましたが、HDDそのものは自治体で指定された方法で捨てることができます。いわゆるリサイクル法や粗大ごみではないです(法人の場合は異なりますので各自調べてください)

データが読み取れない状態にしてから捨てるようにしましょう。

おわりに

今回はHDDの処分方法についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?

最近はHDDからSSDに変わってきており、SSDはHDDと比較して破壊しやすくなっています。ですが、過渡期の今は旧PCがHDDという方のほうが多いともいますので本記事が参考になればうれしいです。

本文にも書きましたが、個人的にはHDDなどのストレージは物理破壊するのが一番かなと思います。